昨日の75日に小郡保健福祉センターで毎年2回行われている小児救急講座「病気の時のホームケア」で私が講演をさせていただきました。急病・事故のときの対応が主題ではありますが、やはり「予防に勝る治療なし」という言葉もあり、事故・感染症の予防のみならず、特にアレルギー疾患の予防についてふれました。皮膚症状があるとハウスダストやダニ、食物(ホコリに付着し、空気中に舞っています)などのアレルゲンが皮膚から侵入し、後に喘息や食物アレルギーなど様々なアレルギー疾患を合併する(二重抗原暴露説)、ということをお話ししました。生後早期の乳児湿疹が後にアトピー性皮膚炎と診断されることを多くの方々が興味を持って聴講していただきました。講演の最後に個人的に相談にも応じ、そのほとんどがアレルギー疾患に関する相談で、しかも未診断の方ばかりでした。
先日に当方が園医を務めている某保育所で健診を行いましたが、ほとんどのお子さんが皮膚症状を有し、やはり未診断・未治療でした。アレルギー疾患は診断が難しく、アレルギー検査で診断すると思われている方が多いですが、実際は症状の持続性、反復性で疑い、他の疾患の除外で決まります。例えば皮膚の乾燥、痒み、掻きむしりが良くなったり悪くなったりを繰り返す場合はそれだけでじゅうぶんアトピー性皮膚炎が疑われます。アレルギー疾患を診断されることを恐れず(むしろ診断が遅い方が深刻な結果となります)小学校就学前の治しやすい時期に積極的に治療を受けることをお勧めいたします(小学生以上でもきちんと治療すれば必ず良くなりますのでご安心を)ステロイド外用剤も上手に使えば皆さんが考えているほど副作用は生じません。お悩みの際はいつでもご相談ください。